折々の記 14

もうそろそろ・・・

今年は春が遅い。

2月は暖かい日が多かったせいか、桜の開花も早くなるのではと思っていたが、3月に入ってから寒い日が続き、当初の予想を大きく裏切って大阪の桜の開花予想はこの月の末日になるとのことだ。

私のお寺では毎年この時期に「お花見コンサート」なるものを企画している。

3月の末か4月の第一日曜に日を設定しているのであるが、今まで満開に当たったことが無い。ほとんどが「葉桜コンサート」になってしまい、今年こそはと3月31日に日時を決めたのだが、今年は「蕾コンサート」となりそうである。

出演者の日程も考慮して半年以上前に日程を決めるのであるが、ことごとく外してしまうというのは私に運がないためか、はたまた日頃の行いなのか・・・。

とりわけ今年の日程にはかなりの自信があったのだが・・・。

それはさて置き、今日は朝まできつい雨模様だったが、お昼を前にきれいに晴れ上がってきた。

日差しはまさに春のそれである。

つい先日、彼岸の最中には吹雪が舞っていたというのに。

もうそろそろ・・・

そんな心のざわめきが聞こえてきそうである。

人生も後半戦になって来ると、「あと何回、この穏やかな春の光景を眺めることができるのだろう。」などと思ってみたりする。

そう・・・人間には誰にもタイムリミットがあるのだ。

だからこそ、今年だけの春を思いっきり楽しもうではないか。

我が家にやって来た四国犬のカイ君も、クシャミと目のかゆみに悩まされながらも、尻尾を振り振りお散歩を楽しんでいる。

暖かい日差しの下、おにぎり一つと水筒を持って、近くの公園や土手でランチするのも素敵なことではないか。

今、私のお寺から眺める景色には、これから耕作が始まるであろう田畑に黄緑色の草が伸び始めている。

もうそろそろ・・・

皆が本格的に動き出す春が来る。