2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

折々の記 7

大晦日を前に お寺というところは大晦日の前になると俄かに慌ただしくなる。 年越しの準備はもちろんのこと、年始の準備にも余念がない。 そして紅白歌合戦が終わる頃からの除夜の鐘。 毎年、お寺の役員様にお手伝いを願って、甘酒の供養も行っている。 冷え…

折々の記 6

クリスマスの度に・・・ この時期になると、思い出すことがある。 僧侶になりたての頃の苦い思い出である。 12月25日の朝、お寺に一本の電話がかかってきた。 お葬式の依頼である。 師匠である父に頼まれ、御不幸のあったお宅に枕経に寄せていただいた。…

折々の記 5

縁・・・この不思議な出会い 今から2年半前のこと、一匹の犬が我が家にやってきた。 世間ではコロナ禍による緊急事態宣言が出されていた時の事である。 京都の「或る警察署」から電話があり、「保護犬を引き取ってもらえないか?」という。 話を伺うと、京…

折々の記 4

生きていくということ 先日、あるお宅に寄せていただいた。 北陸にあるこのお宅に初めて寄せていただいたのは、もう6年ほど前になる。 大阪出身の方が、とある町で開業医をされておられたのだが、志半ばに病に倒れ、まだ30代だというのにお亡くなりになられ…

折々の記 3

近づく冬 山々の色がくすんできた。 今日は朝からどんよりとした曇り空。 時折り雨粒が落ちてくる。 天気予報も午後には本格的に雨と云う。 気温も上がらず、冷たい風を頬に受けると思わず服の襟を立ててしまう。 庭には桜やクヌギの落ち葉が風に運ばれてあ…

折々の記 2

青空に 磐船街道と呼ばれる街道は大阪府枚方市から奈良県王寺町を結ぶ国道168号線の一部である。 11月末から12月頭にあたる今の時期、この街道は美しい紅葉に包まれる。 とりわけ晴れ渡った日には青空に輝く光点が見て取ることができる。 街道が走る谷あいに…